今年の夏山登山で目標にしている幌尻岳に行ってきました。テント泊する北戸蔦別岳までは6月下旬に下見に登ってきましたがいよいよ本番です。
山行予定としては、テントを背負って北戸蔦別岳まで行き、その日のうちに幌尻岳までピストン、翌日は北戸蔦別岳から下山の予定。まあ色々ありました・・。
前日は道の駅樹海ロード日高で仮眠を取ってから登山口へ向かいます。起きたのは2時前ですが、この時点でかなり体が重い・・。たまにあるダメな体調の日にあたったみたいです。
テント泊だからゆっくり登れば大丈夫だろうということで朝食を食べてから千呂露橋を越えて右折し、チロロ林道へ入って行きます。
低速で40分ほど進むと駐車場に到着しますが、川沿いに停められる場所は残り2台くらいしかありませんでした。前日から天候も回復気味だったので激混みだったようす。出発予定は3時30分なのでそれに合わせて準備します。
序盤の林道歩きは1時間弱、出発した時はまだヘッデンが必要な暗さでしたが、林道の終点である取水ダムに着くころには明るくなっていました。やっぱり1時間弱歩き続けると汗が出てきますね。
あと今回のザックは14.4kgくらい。前回白雲岳-忠別岳の時よりも少し軽いくらい。さあいよいよ登山開始です。
風は吹かないけど湿度も低く、思ったより朝露に濡れることなく歩いて行きます。今回ももちろん熊鈴2つに熊スプレー持参です。
数日雨が降っていないことと、残雪がほぼ溶け切っていることで川の水位が低く、6月下旬に来た時よりもすごく渡渉しやすかったですね。
念のため出発からゲイターを付けて歩きましたが登山靴をほとんど濡らすことなく渡ることができました。
渡渉が終われば次は山登り、まずはトッタの泉を目指します。無理をしても疲れるだけなのでなるべく急がずにマイペースで登っていきます。
部分的に深く掘れていたり、ヌルヌルで滑りやすい箇所がたまにあるので注意が必要。テント泊なのでなるべくズボンは汚したくありません。
途中でギンリョウソウを発見しました。普段あまり見ないのでちょっとテンション上がります。
トッタの泉に到着。下からは行動中の飲み水として2Lをプラティパスに入れてきましたが、ここで3Lを汲んで北戸蔦別岳まで登ります。
汲みたてをザックに仕舞う前に一口頂くけど、冷たくてウマすぎ。ポカリよりも体にしみわたりますね。糠平岳までは風もあまり吹かないので、数少ない涼を取れる場所でもあります。
3kg増えたザックを背負って稜線まで頑張ります。
梯子のところまで来ました。トッタの泉から登っているときは太陽も出ていたけど、樹林帯を抜けて上に着くとガスガス。天気予報では午後から晴れの予報だけどどうなるかな。
三角点のある糠平岳まで到着しましたが、これから進む先はガスで全く見えず。とりあえず休憩がてらおにぎりタイム、ただ思ったより風が冷たくて強く、休んでいる間に少し寒くなってきました。
もう少し休むつもりだったけど体を動かす方を優先して先に進みます。それでも寒かったら何か一枚羽織るつもり。
ハイマツ帯に入れば風は吹かなくなり寒さも平気になりました。テント泊場所の北戸蔦別岳までもう少し。
明日には8月になりますがまだまだ色んな高山植物が咲きほこっています。前回来た時はまだ雪渓が残っており、そこを歩いて北戸蔦別岳まで登りましたが、今はすっかり溶けて一面お花畑に。
場所によってはすでにフサフサのチングルマですが、もう少し先に行けばまだまだ白い花びらのチングルマも見ることができます。
ようやく北戸蔦別岳山頂に到着。幌尻岳は全く見えないけどガスはかなりの勢いで動いていますね、でも山頂の風はそれほど強くありません。
で、とりあえずテントを張りたいけど場所は開いているかな?
北戸蔦別岳山頂にはテント2張り分のスペースがありますが、幸運にも左側が開いていました。右側には2人用なのかな、少し大きめのテントが張られていました。
ホント開いててよかった。
パパっとテントを設営します。スペース的には十分だけど、場所によってペグが深くまで刺さらない箇所が多いですね、すぐ下に岩とか埋まってそう。なので周辺にあった岩を使ってペグ代わりにしていきます。
玄関は向こう側になっていますが見た目以上にスペースがあるので危険はありませんよ。そして先ほどまでガスっていたけど、テントの設営が終わったころにはだいぶ晴れてきたようです。
幌尻岳とは逆方向のピパイロ・伏美岳方面。いつかあっちも行ってみたいけど、まずは幌尻岳ですね。
と言うことで幌尻岳へ向かって出発します。まずは手前の戸蔦別岳へ。こっちもキレイなお花畑が広がっていましたね。
結構岩々な道を歩いて行きますが、こちらは平取町側の幌尻山荘との分岐地点。幌尻山荘はコロナの影響もあって閉鎖中。もう一つの新冠町側のイドンナップ山荘経由も林道が崩落の為、現在は一般車両が通行止めとなっており利用ができません。
何度も幌尻岳に登っている人から話を聞くと今年は本当に人が少なく静かな山だと言うことですね。
戸蔦別岳山頂までもう少し。空には青空も見えて、山頂からの景色はさぞ絶景なはず。相変わらず体は重いけど頑張ります。
戸蔦別岳山頂到着、すっかりガスも取れて青空になりました。山頂には雲がかかっているけど遠くに幌尻岳が見えています。
初めて見た七つ沼カール。肝心の沼は一つを除いて水は無し。水があれば朝夕の景色もキレイそうですね。
休憩も終わって幌尻岳へ向かいますが、七つ沼カールへ下る分岐を越えてハイマツ帯を歩いている途中で今回最大の事件が起きます。
左ポケットに入れておいたスマホが無い・・。マジで無い・・。
もう登山どころじゃない、スマホを探すことが最優先です。もし落としたとしたらハイマツ帯以外に考えられないので来た道を戻りつつスマホを探します。捜査範囲は2か所ある七つ沼カールへ下りる分岐の間。
3回ぐらい行ったり来たりをして丁寧にハイマツをかき分けスマホを探すけど結局見つからず・・。
さすがに諦めてテントへ戻ろうと決心します。もう先に進む気力も無いし・・。
見上げた戸蔦別岳山頂はキレイに晴れており憎たらしいばかり(自分のせいだけど)。
で、七つ沼カールへの分岐を越えて戸蔦別岳への斜面を少し歩いたところで、なんとハイマツの上にスマホが置かれているのを発見。
スマホを見た時は冗談かと思ったけどホントだったw。とりあえずひと安心。たぶんスライドした人が見つけてわかりやすいようにハイマツの上に置いといてくれたんだと思います。
本当に感謝です。
幸いスマホが見つかったけど、この間で気力・体力・時間を費やしてしまったのは事実。
それでも見つかったので幌尻岳を目指して再度歩き始めますが、幌尻岳の肩を登り始めたあたりのハイマツでついに最後の気力も無くなりゲームオーバー。今回は幌尻岳山頂を諦めました。
と言うことで肩から少し戻った写真の場所で最後のおにぎりを食べながら小休止して、その後テント場に戻ることにしました。
おにぎりを食べ終わって戻り始めたくらいから、それまで晴れていた空がだんだんと曇ってきました。スマホでも夕方あたりに一雨来そうな予報になっているので、少し急ぎ目に歩いて帰ります。
大雪でもよく見たユキバヒゴタイ。黒白の2色のように見えるけど、中からはピンク色の花が咲くんですね。なんとも興味深い。
結局テント場の北戸蔦別岳に戻ったのは14時過ぎ。体も朝からのダルさが取れないのでテントで横になって休憩します。
その後夕食にインスタントラーメンを食べて一日の行動を終えました。
食事後はテントで仮眠。1時間ほど寝た後にテントの外に出てみると下からガスがどんどん沸いてきて1日の終わりが始まりました。
こちらは糠平岳方面。夕日はこっちの方向に沈みます。
さっき戻ってきた幌尻山荘分岐から稜線。すごい量のガスが稜線でせき止められています。
たぶん幌尻岳に登っていたら、このガスの中を歩いて帰ってきたんだろうと思います。なかなかダイナミックな風景だけど、歩くのはシンドイかな。
ピパイロ岳へと続く稜線が夕日に染められてイイ感じ。その後はガスに覆われてしまい、沈む夕日を見ることなく1日が終わりました。
結局この日の北戸蔦別岳でのテント泊は、山頂で自分を含む2張り、山頂から少し戸蔦別岳側に下った場所に1張り、そしてピパイロ岳側に1張りの計4張りでした。
念願の幌尻岳を登ることはできなかったけど、スマホを無事回収できたのでもう満足です(苦笑)。本来なら今日登れなかったので明日の早朝から登って下山となるんだけど、体は相変わらずダルいし、食料も無いのでこのまま下山することに決めました。
ということでお休みなさい。
ではまた~。
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